カテゴリ: 人物

ヘレン・ケラーが障害児の安楽死を支持していたことは、日本ではほとんど知られていない。(私も半年くらい前に英語で検索していて知った)
1915年にヘレン・ケラーは障害児を安楽死させることを「人間の庭から雑草を引き抜くこと」と例えた。また精神薄弱者を「潜在的な犯罪者」だとした。どの子供が安楽死の対象となるかは医師団が決めればいいと提案し、子供が可哀そうだと思う人は(自費で)子供を引き取って育てればいいとした。

ケラー自身も障害者じゃないかと思うだろうが、このことの整合性については後に触れるとして、まずケラーが障害児の安楽死を支持するコメントを出すきっかけとなったボリンジャー事件とそれに対するケラーのコメントを見てみる。

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一つ前の記事で、栗城の登山家としての問題点について書いたが、この記事では主にその他のことについて記す。初の評伝である河野啓『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』(集英社、2020/11/26発売)を読んだことをきっかけ書いたものだが、本の感想というより、これまでの私の栗城ウォッチをまとめたもの。

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河野啓『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』(集英社、2020/11/26発売)を読んだ。あまり知られていない、栗城がテレビに登場し始める初期の頃に取材していたテレビディレクターが書いた本である。著者は2009年の最初のエベレストの後に一旦取材を止め、死後に取材を再開する。私は2010年の2度目のエベレストのときに栗城を知り、それから栗城ウォッチを始めたので、著者とは見ていた期間がずれる。この記事は本の感想ではなく、この機会にこれまでの観察をまとめたもの。あれこれ書いていたらずいぶん長くなってしまったので目次をつけておく。

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英語で野口英世について調べていると、よく出てくるのが梅毒に関する人体実験スキャンダル。日本では何故かほとんど知られていないが、結構重要な事件なので紹介する。簡潔にまとまっているデイヴィッド・ロスマン『医療倫理の夜明け』(2000年)から引用する*1続きを読む

野口英世について調べていたら、野口が梅毒に冒されていたという記述があった。その件についてさらに調べてみると、確かに野口は1914年にロックフェラー研究所で医師の診察を受け、梅毒に感染していると診断されている。野口の伝記で最も詳しいと思われるイザベル・R・プレセット『野口英世』(1987年)に以下の記載がある。
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登山家の野口健が空気銃で子猫の頭を撃ち飛ばし、それを咎めた友人の足も撃ったという内容の書き込みがネット上にあり、よくあるデマだろうと思いつつ調べてみたところ、本当の事だったのでビックリした。本人が自伝で語っているので間違いない。野口は子供の頃かなりの不良で、その頃のエピソードの一つとして出てくる。続きを読む

登山家の野口健が自民党から出馬するという憶測がたまに流れるが、その可能性はほとんどないだろう。身体検査に引っかかるからだ。その原因は、野口がネパールで貧困層の15歳少女と性交し、そのエピソードを自著で武勇伝のように語っているためである。

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