優性/劣性(顕性/潜性)は中学の遺伝の授業でまず最初に教えられるが、実際に当てはまる例は少ない。ほとんどの形質は複数の遺伝子が絡んでいて、単一の遺伝子では決まらないからだ。ヒトの場合だと、キッチリと当てはまるのはハンチントン病などの単一遺伝子疾患ばかりになる。病気を除いた一般的な目に見える形質だと、耳垢が湿っているか、乾いているかを決めるABCC11遺伝子くらいだろうか。あとは不完全優性だがアルコールの分解能力を決めるALDH2遺伝子がある。ヨーロッパ人に稀に見られるかなり強めのそばかすは、MC1R遺伝子の変異体を持っていると発生する(日本人にはあまり関係ない)。

ただ学校でこれ以外にヒトの優性/劣性形質を教えられることも多いらしい。よくあるのは、二重まぶた/一重まぶた、耳たぶが福耳/平耳、富士額/平額、親指が反る/反らない、つむじが右巻き/左巻き、舌を巻ける/巻けない、えくぼがある/ない、腕を組む時に右腕が上/左腕が上、など。

下は高校向けの資料集『サイエンスビュー 生物総合資料 四訂版』(2019年)
サイエンスビュー 生物総合資料 四訂版 優性劣性
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