2020年11月

ゲノム編集技術の開発により、知能を向上させたデザイナーベビーが現実味を帯びてきたが、倫理的な問題を差し置いたとしても、現状では知能に関連する遺伝子は一部しか特定されておらず、ゲノム編集技術も未熟なので、実行できる段階にはない。

しかし遺伝子工学を用いなくとも人類の知能を大幅に向上させる方法は存在する。それは頭のいい人を選抜して子供を作らせ、さらにその子供の中から頭のいい人を選抜して子供を作らせ…ということを繰り返せばいい*1。要するに家畜や植物の育種と同じようなやり方をすれば、間違いなく知能は向上する。

もちろんこんなことは倫理的に許されないのだが、実際にやってみたらどうなるのかは、遺伝学や育種学の知見から計算することができる。

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『IQは金で買えるのか』(朝日新聞出版)で紹介されていたが、ミシガン州立大学のスティーブン・シュー教授によると、知能に関わる理想的な遺伝子変異の組み合わせが実現すれば、IQは1000以上になるという。

シュー教授が書いた該当記事はこれ(より詳しくはこの論文にある)。確認したところ遺伝学の教科書にもある標準的な理論で、確かにIQは計算上1000以上になる。
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